「ぎっくり腰」とは、何かのきっかけで急に起こった強い痛みを指す通称で、病名ではありません。
正式な名称は、「急性腰痛症」、ドイツ語では「Hexenschuss」(魔女の一撃)と言われています。
ぎっくり腰の発症要因
- 起床時の洗顔時
- 重い荷物を持ち上げたとき
- 靴下を履こうとして前かがみになったとき
- せきやくしゃみをしたとき
- ベットから起き上がったとき
- 同一姿勢から、動いたとき(イスから立ち上げるなど)
などがあります。
他に
数日間、じわじわ腰が痛くなっていき、朝起きた時に痛みで起きられないなんてこともあります。
ぎっくり腰になぜなるのか?
ぎっくり腰がなぜ起こるのか、詳しいメカニズムはわかっていません。
急に起こるので、その直前の行動が原因だと思うでしょうが、それはただのトリガー(引き金)です。
ぎっくり腰に限らずですが痛みが起こるということは、今まで少しずつため込んだ『疲労や負担(下地)』が許容量を超えたことにより、発症します。
まったく下地がなければ、痛みが起こることは先ずないといえるでしょう。
下地がなくて腰痛や体に痛みが起こる場合は、車にはねられるなど過大な力が加わった時などです。
その下地は、日常生活や仕事などで徐々に蓄積されていきます。
仕事や家事などで立ちっぱなし、座りっぱなし、腰をよくかがめるなどしている方は、毎日のことなので、「疲労や負担」が蓄積しているという意識がない方もいらっしゃると思います。
そういった小さな積み重ねが、ぎっくり腰を引き起こすリスクを高めていきます。
極端なことを言えば、生きていれば、体に疲労や負担がかかって下地は作られていきます。
そのたまった下地を減らすことが、ぎっくり腰を予防することにつながります。
下地を減らすには
ぎっくり腰の下地を減らすには、治療・セルフケア・日々の過ごし方に気を付けるになります。
セルフケアとしてポピュラーなのはストレッチでしょう。
ストレッチもしっかりと行うことによって、下地を減らしていけます。
ただ良く勘違いされているのが、ストレッチだけで充分だと思われている方がいます。
もちろん軽めの下地であれば、ストレッチだけでも充分のこともありますが、ストレッチだけでは取り切れない凝り固まった硬結があったり、治療でしか取れない下地というのも存在します。
治療だけ、ストレッチだけしかやらないというのではなく、両方をやるという意識が必要です。
そして日々の過ごし方ですが、これは椅子の高さを変えるや、腰をかがめて荷物を持ち上げるときに腹筋に力を入れるなど腰を痛めるような生活を改めるということになります。
些細なことですが、ぎっくり腰の下地は日々の負担によって作られていくものですから、日常生活を見直して、気を付けられるところは気を付けるという意識が必要です。
ぎっくり腰になってしまったら
- 腰が熱を持っている
- ズキズキ痛む
などの症状がある場合はアイシングや安静(2~3日)が必要になってきます。
※氷嚢の作り方は、スポーツのお悩み→スポーツ外傷・障害のところに書かれていますので、後で参考にしてください。
ぎっくり腰は大きく分けて
- 筋・筋膜性のもの
- 椎間関節性のもの
- 腰椎の靭帯性のもの
- 骨盤の関節(仙腸関節)性のもの
- 腰椎椎間板ヘルニアなどの椎間板性のもの
などに分かれます。
痛めた場所によって、症状の程度や治癒期間が異なります。
治療をせず放置すると、それが下地となり、ぎっくり腰になるリスクが増えます。
「ぎっくり腰は癖になる」など、お聞きしたことがあると思いますが、それは適切な処置をせず放置したことにより、下地が残り何度も再発を繰り返しているのです。
ぎっくり腰になってしまった直後は、動くことはとても困難だと思います。
こういった場合には、腰が痛くならないような姿勢や状態で安静にしてください。
まれに長い間、安静にする方がいらっしゃいますが、安静にする期間が長いと治癒を遅らす原因となります。
状態によりますが、1週間以上は安静にするのは控えた方が良いでしょう。
軽い痛みであれば、動ける範囲で動かすのも大事な場合があります。
そういったアドバイスも行いながら、治療をしていきます。
当院の治療方法
当院では患者様の状態がどうなっているのかを見極め、最適な施術法をご提案いたします。
整体・マッサージ、鍼灸なのか人により違うことがあります。
腰のどこに痛みがあるのか、どうやって発症したのか、既往歴、普段は何をされているのかなどを伺い、痛みを起こしている場所やそれ以外に問題となっているところにもアプローチしていきます。
症状に合わせて適切な刺激を心がけ、必要であればコルセットなども処方していきます。
急性期の強い痛みが治まれば、アイシングなどをやめ、お風呂などに浸かって温めたり、徐々に動かしていく事をご提案していきます。
当院では症状の経過に合わせた注意点や、セルフケアなどもお伝えしていきますので、気になることがございましたら、ご相談ください。