こんにちは。はりきゅう手技療法えにし蒲田の寺澤です。
今回は腸内細菌について。
腸の粘膜にどのような腸内細菌が生着するかは、生まれた時から始まっていて1歳までには決まると言われています。
そしてその組成は、基本的に一生変わることはないと言われています。
お腹の中の赤ちゃんの腸内は無菌状態で、産道を通って生まれてくるときに、赤ちゃんが産道の細菌を飲み込んむことで、ママの腸内細菌が移ります。
妊娠・出産時にママの腸内細菌のバランスが悪いと、赤ちゃんにも影響が及んでしまうんですね💦
でも安心してください。
「一度決まった腸内細菌は変えることができないの?」というと、そうではありません。
もちろんママから引き継いだ腸内細菌の種類は変えることはできませんが、バランスは変えることができます。

腸内細菌は大きく分けて、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3種類に分類され、腸内細菌の理想的なバランスは善玉菌2・悪玉菌1・日和見菌7になります。
善玉、悪玉は皆さん良くお聞きするかと思いますが、日和見菌ってなんだか分からないですよね。
ざっくりというと、善玉・悪玉の数が多い方に味方する菌です。
腸内環境が悪くなれば悪玉菌に加勢しますし、良好な状態であれば善玉菌に味方します。
ですので、腸内環境に気を使い、日和見菌を善玉菌の味方につけ、バランスを整えていけば、子供の腸内環境は整うということです。
でも、生まれてから赤ちゃんの腸内環境を整えるのより、妊娠前・妊娠時にママの腸内環境を整っていた方がいいですよね。
腸内細菌のバランスを整えるためには、食生活の改善が欠かせません。
腸内環境の悪い人は、たんぱく質を避け、パンなど糖質の多い食事や脂っこい食事、アルコール、コーヒー、辛いものを良く摂る食生活を送っています。
糖質に傾いた食事をしている人を例に挙げると
- 朝食・・パンと果物もしくはスムージなど
- よりひどい人は、朝食を抜いている(朝食を抜いて空腹の時間が長くなれば昼食を摂った時に、一気に血糖値が上がってしまいます。)
こういう食生活を送っている人は、朝食に少しづつで良いので、たんぱく質を摂るということを気にして頂きたいと思います。

腸内細菌を整える食物繊維
腸内細菌を整えるには、食物繊維が豊富な食べ物を摂ることをお勧めします。
食物繊維は生命維持に欠かせない5大栄養素(物繊維は生命維持に欠かせない5大栄養素(タンパク質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラル)につぐ、6番目に大切な栄養素です。
食物繊維には水溶性と不溶性がありますが、この2つの食物繊維をバランス良く摂るのが良いです。
理想としては、水溶性:不溶性=1:2です。
食物繊維の1日の摂取量は20gほどですが、多くの日本人は不足していると言われています。
食物繊維は便通を促進することで有名ですが、他に「整腸効果」もあります。
腸内の環境を整える善玉菌のエサとなって、増やす働きもあります。このほかに血糖値の上昇を緩やかにする、コレステロール値を低下させるなどの効果もあります。
血糖値の上昇を緩やかにしてくれますから、ダイエットにもお勧めです。
善玉菌のエサとなるのは水溶性のほうですが、どちらもバランス良く摂るのが良いです。
ちなみに水溶性の食物繊維を摂りすぎると下痢を起こすことがありますので、過敏性腸症候群の人は特に注意が必要です。

水溶性食物繊維の働き
①食後の急激な血糖値の上昇を抑える
水に溶けて粘着性のゼリー状の物質になるので、ゆっくりと腸内を移動します。それにより、糖質の吸収を緩やかにしてくれます。
②血中コレステロール値を抑える
便と一緒にコレステロールを排出してくれます。それにより、血中コレステロール値を抑えます。
③腸内環境の改善
不溶性と同じく発酵・分解されると善玉菌が増えて腸内環境が整います。
水溶性食物繊維を含む食材:
海藻類・麦類(大麦・ライ麦など)・果物・根菜類(にんじん・大根・ジャガイモなど)・アボカド
不溶性食物繊維の働き
①便秘予防
保水性が高く胃や小腸で水分を吸収して膨らみます。水に溶けないので便の量が増えたり、腸を刺激してくれます。そして、体の中を通って、そのまま出ていきます。
不溶性食物繊維を摂りすぎて水溶性食物繊維が少なくなると、便が硬くなり、かえって便秘になることがあるので注意してください。
②発がん性物質の軽減
体内の有害物質と吸着して、便と一緒に排出してくれます。
③腸内環境の改善
水溶性食物繊維と同じく、発酵・分解されると善玉菌が増えて腸内環境が整います。
不溶性食物繊維を含む食材:
豆類・きのこ・穀物(玄米・ライ麦)野菜(ごぼう・れんこん・トウモロコシなど)・アボカド
食物繊維の効果
- 肥満や糖尿病と行った生活習慣病のリスク軽減
- 便通改善
- 心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、乳がん、胃がん、大腸がんなどの発症リスクが低下
などがあります。
食物繊維にプラスで、漬物、納豆、しょうゆ、味噌などの発酵食品も摂るようにすれば、腸内環境も整います。
しかし加工食品に含まれている食品添加物の中には善玉菌を減らしてしまうものも多くあるので注意です。
また加工食品の中の添加物は、亜鉛の吸収も低下させるので、あまりとらないほうが良いと思います。
ちなみに余談ですが、抗生物質も善玉菌を減らしてしまいます。
抗生物質を飲んだ後に下痢してしまう人は、善玉菌が殺菌されてしまったことによる可能性があります。
もしそういう人がいたらドクターと相談しながら、抗生物質を飲むタイミングをしっかり意識してください。